有機栽培の概要
有機栽培とは
農薬や化学肥料などの化学物質を使用しないこと、遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法です。
有機農業のメリット
環境に優しい
農薬は害虫だけでなく益虫にも影響を与えるため、有機栽培を行っている田んぼや畑は、農薬を使っている田んぼや畑に比べて、たくさんの生き物が住んでいます。
有機栽培は、そこに生息する多様な生き物の力を利用して農産物をつくるため、環境に優しい農業といえます。
水田では、イトミミズやユスリカ、ウンカなどが増えるとそれを食べるカエルやクモが増えます。カエルやクモは、カメムシやウンカなどの害虫を食べて、稲を守っています。
地力の向上
水田や畑、その周りの水辺や森林にたくさんの生物が生息するようになります。そして、土中の有機物を分解する微生物の数が増加するため、酸素や水をよく通し、肥料を植物が吸収しやすくなり、作物の育ちやすい土に変わっていきます。
有機農業のデメリット
収量が少ない
有機肥料を土の中の微生物が分解し、植物が吸収できる養分に変わってから、植物が成長するため、生育に時間がかかります。このため、肥料効果が化学肥料に比べてゆっくり進むため、慣行農法に比べて収量が少なくなります。
一般の農産物よりも値段が高い
有機農産物は農薬や化学肥料を使用しないため、雑草対策や病害虫被害などのリスクが非常に高く、一般の農産物に比べて時間や労力が多くかかり、コストが高くなります。