うこぎ
和名:ヒメウコギ
学名:Acanthopanax sieboldianus Makino
英名:ginseng
分類:ウコギ科ウコギ属
原産地:中国
わが国への伝来時期:平安時代
主な産地:山形(米沢が生産日本一)福島、青森、岩手、新潟、長野
岐阜(うこぎ料理がある)
出回り時期:2月(ハウスもの新芽)
4月(ハウスもの新梢、露地もの新芽)
6~11月(露地もの新梢)
うこぎとは、中国渡来で日本各地の山野に見られるウコギ科ウコギ属の落葉低木です。ウコギ科の種類として、ヒメウコギのほか、ケヤマウコギ(A .divaricatus Seemann)、ヤマウコギ(A.spinosus Miq)、エゾウコギ(A.Senticosus Harms)などがありますが、ここではヒメウコギを取り上げることにします。
なお、ウコギ科の植物には、チョウセンニンジン、コシアブラ、ウド、タラノキなど薬効成分を持つものが多くみられます。ヒメウコギの場合は、古くからその根皮は五加皮(ウカピー)と呼ばれ、薬理作用として滋養、強壮、鎮痛作用があります。また、鎮静、血圧降下、免疫賦活、利尿作用などもあり、疲労回復、強壮、冷え性、腹痛や神経痛の治療などを目的に使用されることもあります。
日本にうこぎが入ってきたのはかなり古く、日本最古の本草書「本草和名」(918年)に記載されています。その後、農書、救荒書、辞書、料理書などにも記載され、特に救荒書にはよく登場し、救荒食品として価値が高いことが注目されます。一般料理書にも古くから登場しましたが、1883年を最後に姿を消し、郷土料理書にのみ記載が見られるだけです。
ヒメウコギが渡来した史実は確認されていませんが、平安時代、うこぎの皮(樹皮・根皮)が日本各地から朝廷に献上されるほどの貴重な植物であったことから、それ以前に渡来したことがうかがわれます。また、戦国時代の城下町では生垣として盛んに植えられていたとの記録もあります。