〇基本調理とポイント
切り合え、おひたし、うこぎご飯などの代表的な料理では、いずれも茹でうこぎが使われますが、いかに色よく茹でるかが重要です。その方法は通常の緑黄色野菜を茹でるのと同じように、沸騰しているたっぷりの湯に塩少々を入れて、生の新芽や若枝(新梢)を入れてさっと茹でます。
郷土料理おすすめ一品レシピ
【切り合え】
材料:茹でうこぎ100g、焼き味噌大さじ2杯
- 作り方
- ①うこぎの新芽または新梢を色よく茹でて水をきり、半分の量をまな板に置く。
- ②木のしゃもじに味噌をのせ、ガスコンロの火にかざしてほどよく焦がし、焼き味噌を作る。
- ③②を①のうこぎの上にのせ、その上に残りのうこぎをのせて包丁で細かくゆっくり切り合わせる。
【おひたし】
材料:茹でうこぎ150g、きざみクルミまたは削りぶし適量
- 作り方
- ①うこぎの新芽または新梢を色よく茹でて水気をきり、小鉢に盛る。
- ②きざみクルミや削りぶしをかけると風味が良い。しょうゆやポン酢でいただく。
【うこぎご飯】
材料:米3カップ、塩小さじ1.5、茹でうこぎ50g、日本酒少々
- 作り方
- ①ご飯は塩と日本酒を入れて普通に炊く。
- ②色よく茹でた新芽または新梢の水をきり、食べやすい大きさに切る。
- ③粗熱をとったご飯に混ぜる。
【天ぷら】
材料:うこぎの生葉(しんしょうかや柔らかい葉)適量、天ぷら粉適量、油適量
- 作り方
- ①天ぷら粉で衣をつくる。
- ②生の葉に①の衣をつけてカリッと揚げる。
うこぎ料理おすすめ一品レシピ 樋渡由美(野菜ソムリエ)
【うこぎのパンナコッタ】
材料(4人分):牛乳150cc、砂糖30g、生クリーム100cc、うこぎパウダー大さじ1、粉ゼラチン5g、うこぎの葉4枚(飾り用)
- 作り方
- ①ボールに 粉ゼラチン・砂糖・うこぎパウダーを入れよく混ぜ合わせる。
- ②鍋に牛乳・生クリームを入れ、沸騰直前まで温め、①のボールに牛乳を移し入れて混ぜ合わせる。ボールごと流水を当てて冷やし、完全に熱が取れたら型に流し冷蔵庫で冷やし固める。
- ③パンナコッタの上にうこぎの葉を飾り完成
【うこぎ入りパン】
材料(4人分):強力粉200g、全粒粉50g、うこぎパウダー小さじ2、塩小さじ1、ドライイースト3g、水150cc
- 作り方
- ①ボールに強力粉・全粒粉、うこぎパウダー・塩・ドライイーストを入れ泡だて器または手でよく混ぜ合わせる。
- ②ボールに水を加えて粉類と混ぜ合わせ、一つにまとめて台の上で5分くらいこねる。
- ③こねたパン生地を丸くまとめビニール袋に入れ口をひもで結び1時間くらい室温で発酵させる。(2倍くらいの大きさになるまで)
- ④発酵した生地を包丁で2等分してコッペパンのような形に成形し、真ん中に切れ込みを入れる。パン生地を天板に置きラップをかけて15分くらい置く。
- ⑤220度のオーブンで20分焼く
【うこぎとそば粉のクレープ】
材料(4人分):
*クレープ生地(10枚分)…薄力粉60g、そば粉40g、砂糖10g、卵2個、うこぎパウダー小さじ2、水240cc、オリーブオイル20cc
*トッピング…うこぎの葉(生) / ミニトマト8個
*具(フィリング)…リコッタチーズ50g、カニ缶小1缶、玉ねぎのみじん切り大さじ2、セロリのみじん切り大さじ1
- 作り方
- ①ボールにクレープ生地の材料のうち粉類をすべて混ぜ合わせ、水・卵を加えて手でお米をとぐようによく混ぜ合わせる。30分くらい冷蔵庫でねかせ、フライパンで生地を4枚焼き冷ます。(生地を重ねるときは間にラップを挟む)
- ②具の材料すべてを混ぜ合わせる。
- ③クレープに具を大さじ山盛り1杯入れ海苔巻のように巻く。
- ④具を巻いたクレープを4等分にカットし、皿に盛り、トマト・うこぎの葉をトッピングする。
【肉巻きおにぎり】
材料(8個):ご飯2合分、うこぎ(生)50g、豚バラシャブシャブ用300g、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ1/2、酒大さじ1/2、しょうが汁小さじ1、サラダオイル大さじ1
- 作り方
- ①うこぎをゆでる
沸騰した1リットルの湯に10gの塩を加えうこぎの葉を1分くらい茹で湯を切り水に5分位さらす。うこぎの水けを絞り、細かく刻み、少し冷ましたご飯に混ぜ合わせる。 - ②①のうこぎごはんを8等分して三角に握り、豚肉で巻く。
- ③調味料全部を混ぜ合わせておく。フライパンサラダオイルを引き肉で巻いたおにぎりを焼き、すべての面が焼けたら調味料をフライパンに流し込みおにぎりに絡めるように焼く。
【タラのコロッケ風】
材料(4人分):タラ100g、じゃがいも120g、玉ねぎ40g、うこぎパウダー小さじ1、オリーブオイル大さじ1、塩・コショウ少々、パン粉20g、オリーブオイル大さじ2
- 作り方
- ①コロッケの具を作る
じゃがいもは皮をむき適当な大きさに切る。玉ねぎは荒みじんに切る。
鍋にタラ、ジャガイモ、玉ねぎ、かぶるくらいの水とオリーブオイルを入れ火にかけ水分がなくなるまで煮る。木べらでつぶし、うこぎパウダーを混ぜ合わせ、塩・コショウで味を整える。 - ②パン粉をオリーブオイルできつね色に炒める。
- ③仕上げ
コロッケの具を8つに分けて俵型に握り、きつね色になったパン粉を振り掛ける。
【鶏肉のパテ】
材料(4人分):鶏むね肉1枚(300g前後)、玉ねぎ1/2個分、酒大さじ3、塩・コショウ少々、うこぎの葉50g
- 作り方
- ①レンジにかけて良い器に鶏むね肉・玉ねぎを入れ塩・コショウ・酒を振り掛け、ラップをしてレンジで3分加熱する。
- ②①にうこぎの葉を加えてさらにレンジで1分加熱する。
- ③加熱した材料すべてをミキサーに移し、30秒くらいミキサーにかける。
- ④パン、サラダを添えて盛り付ける。
【サーモンのマリネ】
材料(4人分):生鮭切り身[塩が付いていないもの]3枚(300g)、片栗粉適量、玉ねぎ1/2個、にんじん1/2本、うこぎ(生)50g、揚げ油適量
*A…酢大さじ3、砂糖大さじ1、しょうゆ大さじ1
- 作り方
- ①玉ねぎは薄切りにして水にさらし水気を切る、にんじんは千切りにする。Aの調味料を混ぜ合わせておく。
- ②生鮭は一口大に切り、片栗粉をまぶし、油で揚げる。うこぎも油でさっと揚げる。
- ③ボールに玉ねぎ、にんじん、揚げた鮭、うこぎを入れ、Aを加え混ぜ合わせる。
【春野菜とちくわのかき揚げうこぎ塩添え】
材料(8個):玉ねぎ1/2個、きぬさや8本、にんじん1/3本、ちくわ3本、天ぷら粉50g、うこぎパウダー大さじ1、水80cc、揚げ油適量、塩大さじ2
- 作り方
- ①玉ねぎは繊維にそって薄切り、きぬさやは適当な大きさの斜め切り、にんじんは千切り、ちくわは5㎜の輪切りにする。
- ②ボールに水を入れ天ぷら粉を加え混ぜ合わせ、①をすべて加え混ぜ合わせる。
- ③②を8等分しかき揚げを揚げる。
- ④塩、うこぎパウダーを混ぜ合わせうこぎ塩を作る。
- ⑤かき揚げを2枚ずつ盛り付け、うこぎ塩を添える。
【うこぎともやしとひき肉の炒め物】
材料(4人分):うこぎ(生)100g、もやし2袋、豚ひき肉300g、塩・コショウ少々、サラダオイル大さじ1、片栗粉大さじ1、水大さじ2、塩大さじ1
A…砂糖大さじ1、酒大さじ2、しょうゆ大さじ2、豆板醤小さじ1~2
- 作り方
- ①うこぎは沸騰した1リットルの湯に塩大さじ1を加え1分位茹で、5分位水にさらし水気を絞る。Aの調味料を混ぜ合わせておく。
- ②大きめの中華鍋にサラダオイルを引き、豚ひき肉、もやしの順に加え炒め、塩コショウをし、Aの調味料を加え味を付ける。水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける。最後にうこぎを混ぜ合わせ火を止める。
【おにぎらず 豚のショウガ焼き&うこぎ入り】
材料(4人分):ごはん2合(600g)、焼き海苔4枚、うこぎ(生)50g、豚肉薄切り200g、☆しょうが汁小さじ1、☆しょうゆ大さじ1、☆酒大さじ1、*サラダオイル
- 作り方
- ①豚肉は☆の調味料をまぶしフライパンにサラダオイルを引き豚肉を焼く。
- ②うこぎは沸騰した1リットル湯に塩大さじ1を加え1分位茹で、5分位水にさらし水気を絞り、細かく刻む。
- ③仕上げ
焼き海苔1枚を置き、ごはんの1/8を10cm角に広げ、次に豚肉の焼いたもの1/4を広げその上にうこぎを広げてさらにご飯を広げ焼き海苔の4隅を真ん中にたたむように包み裏返して置く。海苔がしっとりし落ち着いたら2等分にカットする。
【生ハム・チーズ・うこぎのイタリアン風 おひたしの盛り合わせ】
材料(4人分):生ハム適量、チーズ好みのものを適量、うこぎ50g、塩・コショウ少々、オリーブオイル大さじ1、ピクルス適量、塩大さじ1
- 作り方
- ①うこぎは沸騰した1リットルの湯に塩大さじ1を加え1分位茹で、5分位水にさらし水気を絞り、塩・コショウ・オリーブオイルで和える。
- ②大皿に生ハム・チーズ・うこぎのおひたし・ピクルスを彩りよく盛り付ける。
おすすめの食べ方
うこぎパウダー、塩を混ぜ合わせて作った「うこぎ塩」をつけて食べるのがおすすめです。
うこぎ葉の保存法 うこぎの保存には、冷凍、乾燥が有効です。
●冷凍
葉を摘み取り、湯通しした後に冷ましてから冷凍庫で保存します。色や形はそのままですが、味は淡白になります。湯通ししないで生葉を冷凍した場合、解凍時に褐変することがあるので注意が必要です。褐変した場合、機能性(抗酸化性など)が著しく減少します。湯通しは、酸素を不活性にして褐変するのを防ぐために重要です。
●減圧乾燥
葉を摘み取り、洗浄後減圧乾燥機(気圧、温度)により乾燥します。色、形はそのままですが、苦味が増します。熱処理を施さない場合、調理時に褐変することがあるので注意が必要です。
●凍結乾燥
葉を摘み取り、湯通ししてから一度凍結する。次にこれを凍結したまま真空凍結乾燥機で乾燥します。色はあせ、形は崩れやすく、味は淡白になります。
●電子レンジ乾燥
葉を摘み取り、洗浄後、20gをキッチンタオルの上に置き、約3分間加熱します。ぱりぱりになったものを保存するか、ミルを使って粉末化して保存します。特に硬い葉には有効な保存法です。
うこぎの葉の形を残して使用したい場合は、上記の方法で保存することになりますが、一般にかさばるために、保存する場所が限定されます。一方、粉末加工後に保存する場合は、湿気、光、空気酸化に気をつけるだけで、多量に保存することが可能になります。食品への添加物としてうこぎを大量に利用する場合は、粉末がお勧めです。