挿し木には、休眠枝挿し、縁枝挿し、一芽種茎法があります。
休眠枝挿しは挿し穂を12~1月ごろに採り、穂木は15cmぐらいに切り揃え、束にしてポリ袋に入れ、雪中または土中に埋めておき(冷蔵庫の場合は0~5℃で貯蔵)、雪解け後に挿し木を行うものです。
縁枝挿しの挿し穂は、新しい枝(当年に伸びた枝)のやや硬くなったものを6月下旬ごろに挿し木するものです。
一芽種法による増殖は、芽の動いていない枝を芽一つずつ切り、下面全体がメッシュ状になっているバットにバーミキュライトを入れ、切った枝を芽を上にして並べ、これが完全に隠れる程度土をかけ、水をたっぷりかけて平にして半日陰におき、40日くらいかけて根を出させる方法です。
ウコギは日当たりや排水がよく肥沃なほうが生育が良くなります。植付け時期は、秋植えでは10月下旬から11月、春植えでは3月下旬から4月上旬が適しています。適正な裁植様式は未確定ですが、垣根仕立ての場合は、うね幅1.2~1.5m、株間は30cmで、10a当たり2,200~2,800本の苗が必要になります。植え穴を掘り、根を広げるようにして植え付け、支柱をたてて誘引する。植付け2~3年間は株づくりのため十分肥培する。初年度は、除草を重点的にし、乾燥防止に敷わらなどするとよいでしょう。2年目の施肥量は10a当たりN,P,Kとも10~15kg程度を5月上旬に施用します。雑草対策も万全に行うことが必要です。3年目以降は、施肥は有機質肥料を中心に、10a当たり窒素成分で10~15kgとします。土つくりのために2年に1回くらい堆肥2tを施用するとよいでしょう。追肥は葉色を見ながら適時実施します。
露地栽培で春の収穫が完了したころに、枝ごとに株元の1~2芽を残して剪定します。一株で18~20芽程度確保すようにし、次年度の収穫用にします。
一方、粉末加工用に大きな葉を利用する場合は、1m以上に伸びた枝を根元から刈り取り、そこから葉を摘み取ります。刈取り機械と葉を摘み取る機械の開発が進められています。
また、枝は飼料として活用が検討されています。
新芽の場合、収穫は葉が開き始め、長さが1.5cmくらいになってから手で摘み取ります。枝が長い場合は、枝を50cmくらいで切り集め、そこから手摘みもできます。出荷は30~50g入り単位で白色トレーに並べてラップをかけ、箱詰めします。若い枝すなわち新梢の部分も食用になるため、新芽の収穫が終わって夏から秋にかけて摘み取ることができます。
また、粉末加工用の大きな葉は、夏から秋にかけて収穫します。なお、うこぎ栽培については、「うこぎ栽培技術指針書」(米沢地方森林組合編、2001)を参照して下さい。お問い合わせは、山形県置賜総合支庁産業経済部産地研究室など。